ものぐさ読書宣教会

好きな本とゲームを布教するためのブログ。

地獄の文芸合宿レポ

1日目大学の友人との五日間に渡る文芸合宿がスタート。ホテルにチェックインするとツインと勘違いしてセミダブルを予約している大失敗が発覚。男同士で眠るベッドの寝心地は苦痛以外での何物でもなかった。結局床で寝る。

熟睡できずにHPが減る。昼間ボルダリングをして体力を消耗した為、頭が冴えず。進捗1000文字。

2日目 先日の寝不足が祟って体がボロボロになる。脳のニューロンがバグって間違った発火をしているのか、眠気はなく、食欲が昂進された。昼サンドイッチ、夕方パスタ、夜ハンバーガー。

1時間で区切ると集中できることがわかる。2日間で6時間しか寝てないのに眠くないのが怖すぎるので、友人から睡眠薬を借りて寝る。なぜかホテルの浴室が異常に臭う。進捗4000字。

3日目 唐突だが、ここで私の文芸合宿は終わる。

進捗8000字。その原因は、wordという眩しい程に白いタブラ・ラサ(空白の石板の意)に徒手空拳で挑もうとする中学からの悪癖が未だに抜けていないからだろう。

もっとiosアプリのworkflowyとかを駆使して(最近、千葉雅也『ライティングの哲学』を読んだ。哲学ではなく方法論だが参考になる)、アイデアを小出しにして構築主義的にやっていった方が絶対にいいのだ。半年前、私は佐川急便を騙った詐欺に引っ掛かり、Apple IDを乗っ取られてiosアプリを使えない状態に甘んじていた。最悪iPhoneを買い換えてでもこの状態から脱出しようと決意する。

なんとかせねば。

4日目 小説を書く気が失せたので、友人の話をずっと聞く。

ニーチェの超人思想と、キルケゴールの神と、絶望死。 天皇制主義者でありキリスト教徒の彼のバックボーンとしての、某エリート高校で過ごした日々の思い出話は、閉鎖環境において常識的な思考がむしろマイノリティ化してしまう恐怖を改めて思い知らされる。

DaiGoの優生思想は上流階級の家庭にとってあまり珍しいものではないのかもしれない。資本主義ゲームの勝利者は、確かに努力によって勝利を勝ち得たのかもしれないが、ほとんどの場合、自身があらかじめ有利な位置にいたことを忘却している。それを不文律で正当化する集団がいることにただただ嫌悪感を覚えてしまった。

あと記憶にあるのは、友人のコンプレックス理論。人の仕草はコンプレックスの表出なのだというもので、それによると私はほぼコンプレックスがないそうなのだが、果たしてどうだろうか。

4.5日目 ここで共産主義者が登場する。 2人の話を聴いていると、神と革命はおなじようなものなんじゃないかという気がしてくる。 キリスト教と、唯物論神学としてのマルクス。 テロを正当化する理論として功利主義独我論が展開し、やべえ場に居合わせているなと実感。

みんなで『ゆきゆきて神軍』を視聴。 天皇にパチンコ玉を射撃し、天皇ポルノビラを撒いた稀代のアナーキスト奥崎謙三が、ウェワク残留部隊で起きた部下射殺事件をめぐって、元隊員を訪ねて真相を追及する。 元隊員たちがさらっと人肉食について告白するのもやばいし、暴力を全く厭わない劇場型人間の奥崎謙三もやばい。 マイケル・ムーアが絶賛したこのドキュメンタリーの問題作は、なんとU-NEXTで観れる。

5日目 天皇制主義者が帰宅し、ソフィストが登場する。ついに登場人物が全て出揃う。 共産主義者以外の全員が、「おれは異常じゃない」と主張しているのが笑いを誘う。

独我論者と共産主義者、テロを起こしやすいのはどちらか?という不毛な議論が発生する。 正直言ってあまり覚えていないが、『ことばの学校』そっちのけでやっていたので、面白かったのだろう。 共産主義者笠井潔『例外社会』、ジジェクポストモダン共産主義』を読んでいて、興味をそそられる。

あと特筆すべき点は、ホテルの浴室が異常に臭かった理由が判明したことで、おそらく配管に問題があり、汚水が上の階から漏れていたのだ。 シャワーを浴びていた時に謎の水音がしたから気付いたのだが、最初は幽霊が水道を使った可能性を真剣に検討していて、オカルトの発生メカニズムを実感した。 ここで、キャラが異常に濃かった(流石にこう言っても構わないだろうか?)合宿は終了。

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3日目多摩川に行った時撮った写真。

橋の向こう側に行こうとしたら異常な大きさをした羽虫が数十匹纏わりついてきて、不快指数が跳ね上がったので断念した。

向こう側は黄泉の入り口であったに違いない。