ものぐさ読書宣教会

好きな本とゲームを布教するためのブログ。

【実録】『ウマ娘』廃人になった男

あるドラマの1コマ。

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チェンソーマン』は確かに面白いが、爆笑するだけで脳が壊れはしない。

真に脳を破壊するのは、ゲーム『ウマ娘』である。

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先に言っておくが、私はコンシューマーゲーム(Switchやプレステなどの家庭用ゲーム)信者であり、大のソシャゲ嫌いである。

大抵のソシャゲは消費者の射幸心を煽るためのギャンブル性に特化していて、ゲーム性で家庭用ゲームに劣るからだ。

 

しかし、ウマ娘にはハマってしまった。

昨日の夕方に知り合いの方に教えられてインストールし、それから寝食を忘れ、大学の履修登録期限の30分前までウマ娘し続けていたので相当である。

なぜ、ウマ娘はそんなにも面白いのか?

 

それはギャンブル性に超絶特化しているからである。

 

どういうことか?

まず、ウマ娘のゲーム内容はアイドルマスターとパワフルプロ野球をミックスしたような育成ゲームだ。

題材は競馬が元ネタとなっている。

私たちは1人のウマ娘の担当トレーナーとなり、ウマ娘と二人三脚で、皐月賞日本ダービー有馬記念etc…といったレースに挑戦していくことになる。

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競馬に触れたことが無い人でも知っているだろうが、競馬とはギャンブルである。

ウマ娘もそれを踏襲していて、金を賭けることこそないが、レースの勝敗はかなり運が絡んでくる。

結果が下位だったレースをコンテニュー(あるアイテムを使うとできる)したところ、1位になったことがあるので、それは明らかだ。

 

つまりウマ娘は、ソシャゲがガチャ要素のあるギャンブルであることに加え、ゲーム内容までギャンブルなのである。

潔いほどギャンブルまみれなのである。

 

はっきり言う。

これが面白くないハズがない。

特に差しタイプのウマ娘がゴール直前で1位になった瞬間は、何事にも代え難い快感だ。脳内麻薬がドバドバ出る。ウマ娘は法的に規制されるべきだ。

 

ここまでウマ娘を絶賛してきたが、私は決して運営の回し者ではない。

むしろ、ウマ娘はやるべきではない禁忌のゲームである。

実人生を棄て、ランクSウマ娘の育成に生涯を費やす覚悟のある者だけがウマ娘をやっていい。

私はもう手遅れだ。

山手線内でスマホに向かって「差せッ!ナイスネイチャッ!!(馬名)」と叫んでいる頭のおかしな奴がいたら、それは私なのでどうかそっとしておいてほしい。

 

ちなみに私の推しウマ娘は、ダイワスカーレットです。

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殺人儀式『黄泉忌みの宴』を攻略し、惨劇の輪廻を断ち切れ!──ノベルゲーム『レイジングループ』感想

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『レイジングループ』はケムコから発売されたスマートフォンアドベンチャーゲーム

現在では、PS VitaやPS4、Nintendo Switchでもプレイできるようになっています。

自分は3年前くらいにスマートフォン版をプレイし、最近またやりたくなったのでNintendo switchで買い直して再プレイしました。

以下あらすじ。

妖しげな因習と信仰に塗れた限界集落、休水に迷い込んだ旅行者・房石陽明を待ち受けていたのは、かつて人が殺した神の使い“おおかみ”による殺人儀式・黄泉忌みの宴!人狼伝説に基づいたこの惨劇の輪廻を、何度でも甦る「死に戻り」の男となった房石は、果たして阻止できるのか―!

 『黄泉忌みの宴』はまんま対人ゲームである人狼をモチーフとしている。

村人陣営は隠れ潜む〝おおかみ〟を昼の議論で炙り出して投票で吊ることによって全滅させ、〝おおかみ〟陣営は昼の議論で吊られることを騙りで上手く回避し、夜のターンに村人を一人ずつ血祭りに上げて殲滅することが勝利条件。

もちろん占い師や狩人などの役職も存在する。

当然の疑問として、「人狼をわざわざノベルゲームでやって楽しいの? 普通に対人でやった方が面白いんじゃね?」と思うだろう。

これがめちゃめちゃ面白い。

儀式として人狼をやらなければいけない理由が設定として練り込まれているし、「どうやって成立しているのか?」も後々解明がなされる。

そして実際に限界集落人狼ゲームが行われるが故の、通常の人狼との違いや、ルールの隙を突いた攻防がある。これが本当にアツいのだ。箇条書きで説明していく。

 

① 舞台となる村『休水』住人たちの人間関係を前提とした『政治ゲーム』である点。

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普通の人狼ゲームと違って、『黄泉忌みの宴』では個人の発言力が全く対等ではない。

たとえば休水の長老格である巻島寛造や山脇多恵の発言力は強く、休水を差別している上藤良村出身である回末李花子や能里清之介は発言力は弱い。狂人である狼じじいは言わずもがなだ。

さらに村内の恋愛関係まで関わってきて、それも人狼ゲームを勝ち抜く為の策謀に利用されたりする。

最終的に確率ゲーになりがちな従来の人狼と違って、『黄泉忌みの宴』では「いかにして人心掌握するか?」の手腕が非常に問われるのだ。

 

② 力で捻じ伏せろ!──ルールの隙を突いて行われる暴力による盤面支配。

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 基本的に話し合いで進んでいくのが人狼ゲームの常だ。

だが──生命や信仰を賭けた真剣(マジ)なゲームだったとしたら?

暴力で進行を有利に運ぼうとするのは必然。

『黄泉忌みの宴』では度々暴力が行使される。それに対してどう対抗するかもゲームの攻防の肝である。

『怪しいやつは皆殺し』戦術や、『人狼が夜に1人より多く殺害する』など、ゲームを根底から崩壊させてしまう行為を防ぐためのルールは用意されている。

しかし、『レイジングループ』の登場人物たちはルールを遵守するような奴らではない。

時にペナルティ覚悟の必死の行動に及ぶ。

「実際に限界集落人狼ゲームが行われたとしたら?」を徹底的に考え抜いた、予想をはるかに超える展開が幾多にも繰り広げられる。

 

③ ループするごとに変わる配役。過熱する推理。

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主人公・房石晴明は『黄泉忌みの宴』の途中で死んだ場合、「死に戻り」──いわゆるループをすることができる。

一見「それなら展開を総当たりすればいいんじゃ?」と思うが、このことは決して『レイジングループ』の面白さを損なわない。

ループして条件を変えると、誰が〝おおかみ〟で誰が人間か──配役までも変化してしまう。

それによって『黄泉忌みの宴』の参加人数が変動したり、初回のループで真っ先に吊られていたキャラクターが終盤まで生き残ったりする。

シュタインズゲート』や『魔法少女まどか☆マギカ』といった大作と比べても、『レイジングループ』でのループ設定は非常に上手く活用されている。

ループごとによってキャラクターは異なる姿を見せ、プレイヤーの化身である房石晴明がループを経て『黄泉忌みの宴』に知悉していくのに比例して推理のレベルも向上していく。

『レイジングループ』は、ループもののノベルゲームにありがちな『共通ルートを何度も繰り返させる』欠点を完全に克服しているのだ。

 

こんな感じだろうか。

『黄泉忌みの宴』の面白さをできるだけネタバレなしで伝えたつもりだ。

しかし、『レイジングループ』は単に『黄泉忌みの宴』を勝ち抜いただけでは終わらない。

なぜ殺人儀式『黄泉忌みの宴』は行われるのか?

主人公・房石晴明はなぜ「死に戻る」のか?

神の御業にしか思えなかった数々の超常現象の正体は?

解決篇では、これらの全ての謎が解き明かされる。

夜を徹してプレイしてしまうほど面白いので、気になった人は是非プレイしてほしい。

豪勢なことに、スマートフォン版でもNintendo Switch版でも『メインルート1本+α』が無料で遊べてしまう体験版があり、お金がなくて手を出すのが怖いという人にも安心。 

www.youtube.com

youtubeに上がっている公式PVもゾクゾクするほど格好良いのでチェックしてほしい。

秘蔵資料や開発経緯を載せた完全読本や、『凪のお暇』のコナリミサトや『私の少年』の高野ひと深などが手掛けるアンソロジーコミックも発売されていて、自分は当分『レイジングループ』沼にハマったままかもしれない。