ものぐさ読書宣教会

好きな本とゲームを布教するためのブログ。

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

常時乱痴気騒ぎのネオ時代小説──町田康『パンク侍、斬られて候』

最近読んだ本ではないのだが、お気に入りの日本現代文学なので記事を書く。 自分は批評的な読み方を会得した読者ではないので、読んでる最中は「おもちれ、おもちれ」くらいのことしか考えていない。だが、こうして紹介記事を書くことで少しでもその面白さを…

日本的ホラーとスピード感あふれる語りの悪魔合体──舞城王太郎『淵の王』

これもお気に入りの日本現代文学。 自分は小説を何度も読み返すタイプでは全然ないのだが、『淵の王』は4、5回は読み直している。 舞城王太郎は作品ごとに新たな文体を模索するタイプの作家なので(個人的にはその頂点にいるのが谷崎潤一郎と大江健三郎だ…