ものぐさ読書宣教会

好きな本とゲームを布教するためのブログ。

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

疑似科学は本当に悪なのか?──宮内悠介『彼女がエスパーだったころ』感想

彼女がエスパーだったころ (講談社文庫) 作者:宮内 悠介 発売日: 2018/04/13 メディア: 文庫 2年前に文庫本で読んだのだがその後失くしてしまい、地元の書店に置いてあった単行本を渋々購入して再読したのだが、それでも出費に見合うだけの内容はあったよう…

【実録】スマホに脳を破壊された男

本当にスマホをやめたい。 コロナ禍で引きこもりがちなのもあるが、1日ごとのスクリーンタイムをチェックすると5時間を超えていて、食事や睡眠を除くと生活の1/3をスマホに費やしていることになる。 スマホでそんなに長時間何をやっているのかというと、自分…

雑誌ジャーナリズムの産みの親はなぜ自らを「俗物」と称したか──森功『鬼才 伝説の編集人 齋藤十一』感想

鬼才 伝説の編集人 齋藤十一 (幻冬舎単行本) 作者:森功 発売日: 2021/01/13 メディア: Kindle版 齋藤十一は文芸誌『新潮』の編集長を務め、『芸術新潮』と『週間新潮』を創刊し、その慧眼から「新潮社の天皇」と畏れられた出版界における歴史的人物だ。 そん…

独断と偏見で選ぶ日本文学暫定ベスト10を紹介する

「好きな日本の小説を10冊挙げてみろ」と戯れで自分の脳髄に命令し考えると、毎回選ばれる10冊が変化していることに気付く。その日の気分やコンディションによっても変わるし、新たな名作を読むことによっても変わる。そんなあやふやで暫定的なリストだ…

生活保護を題材に据えた社会派漫画──柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活』1〜3巻感想

健康で文化的な最低限度の生活(1) (ビッグコミックス) 作者:柏木ハルコ 発売日: 2014/12/08 メディア: Kindle版 『健康で文化的な最低限度の生活』は、「生活保護」をテーマにしたかなり珍しい社会派漫画である。 ストーリーの大筋は、東京都の区役所に就…