倫理学
以下は、2018年に亡くなられた倫理学者の川谷茂樹先生の博士論文についてのメモである。今回は第1章。 第1章 「道徳性の最上原理」としての定言命法——『基礎づけ』第1章の検討—— 第1節 議論の整理 ・カントの『道徳形而上学の基礎づけ』1章及び2章の議…
第五回。 最近友人に薦められた『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』を観たので、その関連で久々に『マクロスF』の曲を聴いている。菅野よう子が作曲した『マクロスF』の曲はガチで名曲揃いなので、聴いているだけで幸せな気分になってしまう。 道徳…
第4回。この記事を書くためにデネットの「リバタリアンが欲しいと言うものを彼らに与えること」という論文を読む必要があったので、更新に時間がかかってしまった。 道徳的責任廃絶論: 責めても何もよくならない 作者:ブルース・N.ウォーラー 平凡社 Amazon…
第三回。土曜はいつも昼過ぎまで寝てしまい、だいたい夕方から23時まで大学にいる。 道徳的責任廃絶論: 責めても何もよくならない 作者:ブルース・N.ウォーラー 平凡社 Amazon 第四章 階層的自由意志と自然的本人性 ・自由意志と道徳的責任に対する本人性(a…
第二回。友人オタクのシェアハウスでゴロゴロしながら読む。 道徳的責任廃絶論: 責めても何もよくならない 作者:ブルース・N.ウォーラー 平凡社 Amazon 第二章 道徳的責任反対論の根本論証(p. 58から) ・ウォーラーは、人に賞賛と報賞、非難と罰を与えるこ…
ウォーラー『道徳的責任廃絶論』(木島泰三さん翻訳)を実況プレイ的な感じでメモを取りながら読み進めていく。 道徳的責任廃絶論: 責めても何もよくならない 作者:ブルース・N.ウォーラー 平凡社 Amazon 第一章 道徳的責任 ・本書の目的は、道徳的責任を支持…
かきかけ。 古典的功利主義は、「社会の幸福が最大になるよう行為せよ」という「最大幸福の原理」を基本原理としている。この最大幸福の原理は、「帰結主義」・「厚生主義」・「総和主義」の三つの要素からなっている*1。 帰結主義……行為の評価・正当化に関…
以下は、安藤馨『統治と功利』第2章の読書メモである。 安藤馨『統治と功利』第2章では、安藤の構想する統治功利主義において行為功利主義と規則功利主義のどちらが採用されるべきか? という問題が論じられ、結果として行為功利主義が採用されることになる…
以下は、総務省の学術雑誌『情報通信政策研究』第5巻第1号に収録されている大屋雄裕「Society 5.0と人格なき統治」の読書メモである。 www.jstage.jst.go.jp 大屋は、内閣府が「我が国が目指すべき未来社会の姿」*1として言及するSociety 5.0について、正確…
「別冊『本』RATIO 06号」に収録された安藤馨の論文「あなたは『生の計算』ができるか?——市民的徳と統治」を読む。以下は、その読書メモである。 ラチオ06号 講談社 Amazon 安藤馨は、「最大多数の最大幸福」に益する行為こそが道徳的に正しい行為である、…
以下は、パーフィット『理由と人格』10章の読書メモ①である。 75 <単純な遠隔輸送>と<分岐線ケース> ・<単純な遠隔輸送ケース>……スキャナーが私の脳と身体を破壊し、火星に私のレプリカを作る。レプリカは物理的にも心理的にも私と質的に同一。 ・<分岐線ケ…
今日は、安藤薫・大屋雄裕『法哲学と法哲学の対話』第1テーマ「権利と人権のあいだ」を再読した。 法哲学と法哲学の対話 作者:安藤 馨,大屋 雄裕 有斐閣 Amazon 議論されているテーマは、「人類にのみ人権という特殊な道徳的権利を認めるのは、正当化できな…
2025年2月に読んで印象に残った本5冊を紹介する。 魚川祐司『仏教思想のゼロポイント 「悟り」とは何か』 与那覇潤『中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史』 笹澤豊『<権利>の選択』 デイヴィッド・エドモンズ『デレク・パーフィット 哲学者が愛した哲…
メタ倫理学における「ヒューム主義」と実際のヒュームの道徳哲学を比較する論文。 私はメタ倫理学における「ヒューム主義」について知りたかったので、主にそれを扱った前半部についてまとめておく。 repository.kulib.kyoto-u.ac.jp マイケル・スミスのヒュ…
スタンフォード哲学百科事典の「道徳実在論」の項の翻訳です。 とりあえず序文と1節の翻訳を作りました。明らかな誤訳などあれば、コメントで指摘して頂けると嬉しいです。 原文はこちら↓ plato.stanford.edu 序文 額面通りに受け取れば、ナイジェルには約束…
ジョン・マクダウェルの論文「価値と第二性質」は、ジョン・マッキーが著書『倫理学』において展開した「価値は実在しない(価値は主観と独立して存在するものではない)」という主張を反駁することをめざしている。 この記事は、「価値と第二性質」1,2節の論…
道徳的事実の実在や、客観的な価値の存在をめぐって、一部の倫理学者たちは今日も論争を続けている。 そのような問題が倫理学の問題なのかについて、私は半信半疑である。 この記事では、考えを整理するため、さしあたり、客観的な価値が存在するかどうかは…
河野哲也『善悪は実在するか』第三章「道徳的価値の実在」では、独自の仕方で道徳的性質についての実在論が主張されている。 この記事は、その主張について検討することが目的である。 どんなものが道徳判断の対象になるのか まず河野は、道徳判断がなされる…
現代思想2024年1月号 特集=ビッグ・クエスチョン ―大いなる探究の現在地― 作者:山極寿一,佐藤勝彦,中村桂子,永井均,三牧聖子 青土社 Amazon 以下は、雑誌『現代思想』第52巻1号「ビッグ・クエスチョン」特集に収録されている、青山拓央「それをすべきである…
善悪は実在するか アフォーダンスの倫理学 (講談社選書メチエ) 作者:河野哲也 講談社 Amazon 河野哲也は、『善悪は実在するか アフォーダンスの倫理学』において、「この本は、主観主義とプラトン主義の同盟に挑戦するものである」と規定している。 河野が『…
美徳なき時代 作者:アラスデア マッキンタイア みすず書房 Amazon 『美徳なき時代』は、徳倫理学者のマッキンタイアによる西洋倫理学史の本。 本書冒頭では、「道徳哲学者は、言語分析を行うだけで、道徳の諸概念そのものを研究できる」とする旧来の分析的道…
〈ほんもの〉という倫理 ――近代とその不安 (ちくま学芸文庫 テ-16-1) 作者:チャールズ・テイラー 筑摩書房 Amazon 政治哲学者チャールズ・テイラーのラジオ講演をまとめたもの。 以下に要約をまとめていく。 第一章 三つの不安 第二章 かみ合わない論争 第三…
2010年の倫理学年報に掲載されてるはずなのに、目次にないぞー、と思って困惑していたら、 日本倫理学会第60回大会主題別討議「『アリストテレスの徳倫理学』に望みはあるか?」のいち発表としてちゃんと掲載されていた。 ・目指すべき倫理学は、近代道徳哲…
これがニーチェだ (講談社現代新書) 作者:永井 均 講談社 Amazon 永井均によるニーチェ入門書だが、だいぶ独自の解釈が施されている(らしい)。 ライターやレジンスターのニーチェ解釈と比較したら面白そうだ、と思って読む。 要約できる部分は要約して、でき…